前回は、私が子供の頃かに通っていた空手道場のトレーニングマシンのお話で終わっていましたね。
数々のトレーニングマシンを見ながらいつも、
「早く触ってみたいなあ」
と思っていました。
家に何かトレーニング器具がないか探してみると、押し入れの中に3.5㎏のダンベルが一つだけ見つかりました。
私が器具を使って行う筋トレは、そこからスタートしました。
恐らく小学3年生の頃だったと思います。
空手道場で大人の方達が、ダンベルを使って筋トレしている姿を見てはその動きを覚え、家に帰ってダンベルトレーニングをしていました。
とはいえ、3.5㎏の重さは、小学生の私には非常に重く出来るトレーニングは非常に少なかったです。
元々プロレスラーに憧れていた私でしたから、筋肉をつけて体を大きくするという目標は、益々大きくなっていきました。
そしてある日、道場の廊下に飾られている認定証に気づきました。
私はてっきり表彰状かと思っていましたが、そこには”健康実戦指導者”と書かれていました。
(気づいてからかなり後になってから読み方を知りましたが…)
どうやら師範の一人が資格を取得されていたようです。
子供の頃の話なので、年代などは曖昧になってしまっていますが、この空手道場とその認定証がその後の私の人生に大きく関わってくることは間違いありませんでした。
入門したころから、道場に通うのがめんどくさい(かなり遠かったですので…)ので、
「自分の家が道場だったら良かったのに」
「自分の道場が欲しい」
と思っていましたが、いつしか、
「トレーニングマシンのある道場を持つ」
ということが明確な夢となっていきました。
「道場を持てるくらいになるならもっと強くならないと」
という想いも強くなっていきました。
しかしながら、元々運動神経の鈍い、何でも人の5倍は練習しないと出来るようにならない私は非常に上達が遅く、組手でも年下の練習生に毎回ボコボコにされ、毎日イライラしていました。
そして、
「強くなるためにはもっといろんな武道・格闘技・武術も知ろう」
と思うようにもなり、またもや本屋に通いつめ、様々な流派の空手の教本をはじめ、少林寺拳法、柔道、剣道などの本も読むようになりました。
同級生たちより語彙力が高くなったのもプロレスの本に加え、様々な武道・格闘技・武術の本、漫画を読んだお陰なのかもしれません。
そのため、
「お前は口が達者過ぎてムカつく」
「口から生まれてきたんか」
「文句十段やな」
「吉本(新喜劇)行け」(実際に吉本新喜劇に入ることも子供の頃の夢でした)
「男の喋りは嫌われるで」
と大人達から注意されることもしばしばでした。
プロレスラーになることしか考えていなかった小中学生時代でしたが、道場の中には空手もしながらボクシングもしているという師範が一人いて、ボクシングも見るようになりました。
そして、テレビではジャッキーチェンやユンピョウ、サモハンキンポーの映画、ロッキーなども大いに流行り、私だけでなく、周りには、強さに憧れる子ども達ばかりでした。
ボクシングは一応、テレビでいていると見ていましたが、その当時の私は、
「蹴りのある空手の方が強い」
と間違ったことを思っていました。
週に3回の練習では足りずに、筋トレだけでなく空手の練習をもっとしたいと考えるようになっていきました。
そして、ずっと見てきたプロレスの中にある憧れのレスラーを見つけることになるのです。
次回に続きます。
吉沢陸