2021-06-22 1:34 PM
category|空手
志道会ジュニア空手 十字型
今では空手はスポーツ化していますが、その昔、空手は琉球王朝の王を守るためのいわゆる軍隊格闘術でした。
私は、武道・武術・格闘技だけでなく何事にも守るべき伝統と進化すべきものの両方があると思っています。
守るべき伝統と古臭い、時代錯誤のことをいつまでも続けることは紙一重です。
志道会で先ず初めに覚えていただく“型”である十字型は、複数の敵を想定した武術であった頃の空手の伝統を残したいと思い指導させていただいています。
十字型は、前後左右から来る敵を下段受け、正拳突き、前蹴りで倒します。
はじめの回し受けは相手のワンツーを受けて掌底で反撃するものです。
型は意味が分からず順番を覚えても全く意味がありません。
一つ一つの動きの意味の説明をよく聞き、理解することが型の上達方法です。
10年前、15年前の子ども達は、何故か低学年ほど(特に幼児)型練習が好きで、皆、ジムに来ると、十字型をするか、逆立ち歩きの練習をする生徒がほとんどでした。
半年もすれば誰もが十字型を覚えていました。
その頃は、私は生徒たちに「型もいいけど、ミット打ち、組手の練習もしなさい」と言っていました。
もちろん、その頃の生徒達は私の話を聞くと直ぐにミット打ちや組手をしていました。
今通っている生徒の多くが、型を何年経っても覚えることができない生徒がほとんどです。
年々、子ども達の運動能力、思考力、記憶力、傾聴力、コミュニケーション能力がどんどん低下していくことを私たち大人が全力で止める必要があると思います。
学びの基礎となる小学生時代に、手を抜くことを覚えたり、出来てもできなくてもいいやと考えたり、出来ないのも個性だという教育は危険だと思っています。
勉強もスポーツも出来の良い生徒しか選ばれなくなる中学、高校になってかた困るのは子どもだけでなく親御さんも同じだと思います。
生徒達には、
「こんな簡単なこと一ヵ月で覚えてやる!」
と思ってもらいたいです。
吉沢陸