2023-05-25 9:29 AM
category|今日の健康情報
子どもの運動能力を上げるには空間認識力が重要です1
何年か前からジュニアクラスで指導していて気になることがあります。
それは、多くの子ども達の空間認識力が低いということです。
空間認識能力とは、物の位置、形状、大きさ、方向や位置関係を正確に認識する能力のことです。
空間の中で、人や物がどのような状態にあるかを正しく理解できるかどうかで運動能力だけでなく、学力向上にも非常に影響があります。
・ジムのスタジオの鏡の真ん中で体操するよう指示しても、真ん中ではない場所で体操を始める
・スタジオの真ん中で組手やミット打ちをするように指示しても端っこでしようとする
・動きの指導でもっと足を前に出すと言っても何も変えない、もしくは言ったことの逆のことをする
・鉄棒を持つ手の幅を指導しても指導とは違う幅で持つ
・腕立て伏せをするときの手の幅を指導しても何年経っても覚えることが出来ない
・使ったアルコールスプレーやミットなどの備品を元の場所に戻すことが出来ない
・ブルーのマットをきれいに片付けることが出来ない、何度伝えても向きを同じに片付けることが出来ない
これらは、子どもの自信のなさや性格も関係しているかもしれませんが、私が子どもの頃にそんな子どもは学校には少数いても、道場には一人もいませんでした。(厳しく指導されていましたので)
ひょっとすると「真ん中」「元の位置に戻す」という言葉の意味が分かっていないのかもしれません。
でも、分からないのであれば聞けばいいだけです。
子どもの発達障害の知能検査の中にも空間認識力をチェックするところもあります。
空間認識力が低いと、スポーツだけでなく以下のようなことも困難になります。
・文字の読み書きが難しい(ノートの線の上に文字を書けない、文字の大きさがバラバラ)
・地図や図形の理解が難しい(何が違うか分からない)
・片付けや整理が難しい(違いが分からないのでそもそも元の状態が分からない)
BMCで子ども達に指導しているのは、武道・武術・格闘技、そして体操ですが、これらのスポーツに限らず、どのようなスポーツでも空間認識力は必要です。
球技では、ボールと自分の距離、相手との距離、バスケットやサッカーだとネットやゴールの位置、パスを出す仲間との距離などを常に把握しながら動く必要があります。
野球やテニス、卓球でも飛んでくるボールの位置を正確に判断してタイミングをあわせる必要があります。
このように、武道・武術・格闘技・体操だけでなく、子どもの運動能力を向上させるためには、空間認識能力は非常に重要です。
このシリーズは、もう少し続けて書きたいと思います。
次回は、「じゃあ何をすれば空間認識力が上がるのか?」を書きたいと思います。
BMCジュニアクラスに通う生徒の保護者の皆様には、先ずはお子様の空間認識力がどういう状況かを知っていただきたいです。
チェック法は簡単です。
位置や場所を指示した時にその通りに動くことが出来るか、日頃から片付けが出来ているか、靴などを左右間違えないか、使ったものを元の位置に戻すことが出来るか、簡単なパズルが出来るか、簡単な3Dパズルが出来るか、簡単な折り紙が出来るか、けん玉が出来るか、簡単な積み木が出来るか、レゴブロック等でお手本と同じものを作ることが出来るか、簡単な間違い探しクイズが出来るか等です。
次回に続きます。
吉沢陸