2019-07-03 9:04 AM
category|日記
ホンモノの自己肯定感
最近、“自己肯定感”という言葉をよく目にします。
昔から心理学を学んでいる私はかなり前から知っている言葉でしたが、
最近は、本当にテレビでも書店でもよく見かけるようになりました。
先日、書店で自己肯定感を高めるといった内容の本を手にして立ち読みしました。
書いている内容は、
「まあなんと甘えた内容なんだ。こんなことを勧められては、人は益々弱くなってしまう。」
と感じました。
その内容を大まかに書くと、
・もともと持っている自己肯定感がある
・苦手なことを続けて失敗を続けると自己肯定感が減少する
・だから苦手なことをやる必要はない
・逆に得意なことや簡単なことに挑戦して成功することで自己肯定感がアップする
・だから苦手なことはやらずに、得意なこと、出来ることだけやればいい
ということでした。
今、心が傷ついていている人を励ますものとしては良いと思いますが、
普通の人にこんなことを言って人が成長できるはずがありません。
大人になれば、社会に出れば、苦手なことをすることの方が断然多いです。
得意なことや好きなことだけをやって生きていいける人は、ほとんどいません。
どうして日本は、こんなにも人に変に優しい国になってしまったのでしょうか?
自己肯定感は、高い時もあれば低い時もあります。
同じ物を見ても、同じことを言われても、その時の状態によって受け取り方は変わります。
調子の良い時もあれば、悪い時もある。
それが人間です。
自己肯定に意識を向けること自体がナンセンスです。
自己肯定感が低くなったからといって、苦手なことはやらずに、得意なことだけするようになると
負のスパイラルから抜け出せなくなります。
「スポーツで勝つために得意なことだけ練習しているんです」
という人がどこにいますか?
苦手なことを克服するから、勝つことが出来るんです。
『自己肯定感を高めるには、苦手なことにチャンレンジするだけでなく、出来るようになること。』
しかありません。
自分の居場所は、自分で作る以外ありません。
子供の頃に、常に親や周りの大人に居場所を作ってもらうことで自己肯定感を持っていた子供が大人になるとどうでしょう?
大人になったら自分の力で自己肯定感を高めることや、自分の居場所を作ることができるでしょうか?
もし、大人になると自然に出来るようになるのであれば、自殺や引きこもり、ニートなどはもっと減るのではないでしょうか?
私たちは、知らず知らずのうちに、どんどん弱くさせられていっていることを自覚する必要があると思います。
私は、心も体もいつでも強くいたいです。
吉沢陸