2022-09-16 10:01 AM
category|日記
電動アシスト自転車が子どもたちの成長を妨げる
以前もブログに書いたことがありますが、電動アシスト自転車の存在が今の時代の子供たちの運動能力をより低下させていると思っています。
もちろん全員ではありません。
お子様自身に自転車を運転させるより安全で親御さんも楽なのかもしれませんが、
私は、小学3年、4年生になってもママの運転する電動アシスト自転車の後ろに乗っている姿を見て違和感しか感じません。
先日も1ヶ月でBMCを退会した、元ジュニアメンバー(4年生)がママの運転する電動アシスト自転車の後ろに乗っている姿を見かけました。
子どもたちもそれを恥ずかしいことだとも思っていないでしょうし、保護者の皆さんも恥ずかしいと思ってらっしゃらないと思います。
まあ、今の時代は恥ずべきことではないのかもしれません。
注意欠陥障害等で自分で自転車を運転させることは難しい、自宅のマンションに家族全員分の自転車置き場がないので子どもの自転車はない、と様々な事情はあると思います。
もちろんこのような場合は致し方ありません。
また、急ぎの時など、ごく稀なことであれば問題ないと思います。
先日、小学4年生以上の高学年の子がジュニアパーソナルトレーニングに来られました。
BMCでは幼稚園児が練習するようなある運動ができないので指導してほしいと来られましたが、
高学年にも関わらず、全く力を入れることが出来ない。
僅か数分の練習で、しんどいと言って初対面の私の前で嘘泣きをする。
私は日中一時支援事業で発達障害の子どもたちに運動指導していたこともありますが、
その子は障害があるとは思わない至って普通のお子様に見えました。
私はプロなのでその子の体を見ればどれくらいの筋力があるか分かりますし、動きを見ればどれだけできるかも分かります。
できないのではなく、しないだけだと直ぐに分かりました。
その子も高学年でありながら、ママの運転する電動アシスト自転車に乗って来ていました。
電動アシスト自転車は、生活を便利にし、お母様の負担を減らす素晴らしい商品です。
でも、その存在が、お子様の運動能力だけでなく、集中力、我慢するという堪え性を養う機会を奪っているのではないでしょうか。
BMCのジュニアクラスに体験に来るお子様も5年生、6年生であるにも関わらず、レッスンに入ることが出来ず泣き出してママに抱きつく、レッスンには入るものの途中で泣き出して目を閉じたまま突っ立ったままという子どもが年々増えています。
体験なので叱ることもプレッシャーを与えることもしていませんがそうなります。
私も数年前から今の時代の子供たちは、マイナス5歳を引いて見てあげないといけないと思っていますが、
やる子はやりますし、できる子はできます。
世の中の保護者の皆様は、お子様をどうさせたいのでしょうか?
何もできない子どもにさせたままで、一生面倒を見続けたいのでしょうか?
ほとんどの場合、親の方が先に亡くなります。
便利さの代償に無限の可能性のある未来を奪われていることを危惧しているのは私だけでしょうか。
たかが運動、されど運動です。
運動なんてできなくてもいいという考え方は否定しませんが、運動能力とIQ、生涯年収や出世率は密接な関係があります。
お子様の能力を向上させたい、本当の意味での自己肯定感を高くしてあげたいと思われるのであれば、
できないこと、苦手なことを避け生活をさせるのでなく、できるようになるまで、やらせてあげるのが教育であり、愛情ではないでしょうか。
こんなところに書いたところで、何も変わらないとも思いますが、運動指導者としてこれ以上、多くの子どもたちの運動能力が低下してくのを指を咥えて見ていることはできません。
もっと子どもたちに、自分の思い通りに自分の体を動かせるようになって、本当の意味の自己肯定感を持ち、自分の持つ可能性を信じることができるようなってもらいたいです。
メタバース?仮想現実の世界で着飾って、イキっていても現実の自分がどうしようもなければ意味はないと思います。
吉沢陸